障害年金の用語集
以下、障害年金制度の説明でよく出てくる用語です。
用語をよく理解することが、障害年金の請求で重要です。
・ 相当因果関係
相当因果関係は、障害年金の初診日を確定させる際に関係します。
前の傷病等がなかったら、後の傷病等(障害)が起こらなかっただろう
と認められる場合、相当因果関係ありとし、前後の傷病等を同一傷病等
として扱います。つまり前後の傷病等を各々点とした場合、点と点が
結びつき、現在まで障害状態がつながっているという考え方です。
障害年金での因果関係は必ずしも医学的因果関係と同一ではなく
医学的因果関係があっても、障害年金では因果関係なしと判断される
ものがあります。
・ 傷 病
疾病又は負傷、及びこれらに起因する疾病の総称です。
・ 起因する疾病
前の疾病・負傷がなかったならば、後の疾病がなかった
であろうという関係にある、前の疾病・負傷をいいます。
・ 社会的治ゆ
前の傷病が治ゆし、後に再び同一傷病が発症した場合には、
前の傷病は一度治ゆしたものとされ、前の傷病とは別傷病扱いになり、
もし治ゆが認められない場合には、同一傷病がそのまま継続して
続いているものとして障害年金では取り扱われます。
この治ゆという意味ですが、医学的な治ゆとは別に障害年金の場合
社会的治ゆという考え方があります。社会的治ゆとは医学的には
治ゆとまでいかずとも、自覚・他覚的に異常や症状が出ずに
社会復帰し、かつ 治療等がなく一定期間継続し普通の生活や
お仕事をしている場合を言います。
社会的治ゆが認められると、後発の傷病での初診日による
障害年金として取り扱われ、前の傷病とは別傷病扱いになります。
傷病によって、5年から10年程度、自覚的・他覚的に
病変・異常が認められず、社会復帰し、投薬等の治療もなく
普通の生活や仕事をしていることが一つの目安とされています。
但し、個別事案で検討される事になっており
一概に何年間で社会的治ゆと解釈されるものでもありません。
・ 発病日
その障害の原因となった疾病・負傷の発生した日であり
外傷性傷病や先天的疾病では特定出来ることが多いが、
内科的疾患や精神的疾患の特定は難しい。
現在の障害年金では、初診日を基準に考えられているので
さほど重要視されないが、前の制度では発病日が
重視されていた。
注意すべきは、 昭和61年4月前の厚生年金の被保険者
期間中に発病日がある場合、障害厚生年金の対象という点。
発病日とは、次のような日をいいます。
・ 診察を受ける前に自覚症状が現れた日
・ 自覚症状がなく診察を受けた場合、その初診日
・ 健康診断等で異常が発見された場合、健康診断受診日
・ 糖尿病・腎不全等の慢性的疾患の場合。最も古い発病日
・ 過去の傷病が治ゆし、再度発症した場合、再度発症した日
・ 事故の場合、その事故発生日
※ 先天性疾患では、潜在的に傷病が認められても
通常通り勤務していた場合は、自覚症状を感じたとき
或いは検査等で異常が発見されたときをいいます。
・ 「傷病が治った状態」
「傷病が治った状態」とは、一般に言う「治ゆ」のみを指すのではなく
現在医療では良くなる見込みがない状態、又は症状が固定化して
医療効果が期待し得ない状態を障害年金の場合には指します。
傷病が治ったか否か(症状が固定したか否か)は、場合によっては
障害認定日と関係してきますので、重要です。
・ 学生納付特例制度・期間
大学や専修学校等の学生の期間で、国民年金の第1号被保険者である
本人の前年所得が一定額以下の人は在学期間中、国民年金の保険料の
納付を申請することで猶予される制度・期間で、10年以内に保険料を
納めないとその期間は老齢年金の計算上、算入されなくなる。
障害年金で考える場合には、保険料納付要件でみる際には
保険料納付期間や免除期間と同じくカウントされる。
特に20代で障害年金を請求しようとする際に、この学生期間を
届出をして猶予期間としているか、届出を出さずに未納期間と
しているかによって、保険料の納付要件を満たす場合と僅かながら
保険料の納付要件を満たさず、障害年金の請求自体が出来ない
ということが生じるので、障害年金請求時にはこの期間を
どういう風にしているのか? で明暗が分かれる。
・ 基礎年金番号
平成9年1月に導入された1人に1つ与えられた年金の管理番号で
国民年金・厚生年金・共済年金のどの制度に加入していても
その年金加入期間を通算できるように共通して用いる番号。
それ以前は、加入している年金制度ごとに年金番号があって
それらは全く別に管理されていた。現在では年金の納付期間等
年金記録を確認するために必要な重要な管理番号になっている。
年金手帳等を2つ以上持っているような人の場合、この番号が
2つ以上その人に付与された結果、自分の年金の記録が別々に
管理・登録されているようなケースもあるので注意が必要。
・ 個人番号
いわゆるマイナンバーのことで、従来使われていた住民票コードに
代わり、市区町村にある個人データとの照合の際に使用される。
請求時にマイナンバーを登録することで、支給決定後の
提出書類が省略されるようになる。
一部地域では交通費が1,000~3,000円が必要です。